本巻について
本巻の執筆者は、3月23日から24日にかけて開催された「 Indo-Pacific Maritime Security Expert Working Group(インド太平洋海洋安全保障専門家ワーキンググループ)」の2021年ワークショップに参加しました。このワーキンググループは、日米をはじめとするインド太平洋諸国の著名な国際安全保障学者や海洋専門家で構成されており、さまざまな法解釈や国家政策、協力的な枠組みに関する厳密な調査を通じて、地域の海洋安全保障問題における効果的な日米協力を促進し、地域の海洋において緊張を引き起こしているものは何か、その緊張を緩和するために何ができるかを理解することを目的として結成されました。このワークショップの目的は、米国、日本、そしてより広範な地域のために、健全で実用的かつ実行可能な政策ソリューションを生み出す手助けをし、インド太平洋の海洋で法の支配と協力の精神を強化することです。
Indo-Pacific Maritime Security Expert Working Groupの2021年ワークショップおよび本巻は、米国大使館からの助成金を受け、横須賀アジア太平洋研究会議(YCAPS)との協力の下で実現されました。
ここで述べられた声明や見解は、あくまでも著者の責任であり、それぞれの組織や所属に基づく見解を必ずしも反映するものではありません。お問い合わせは、[email protected] までお願いします。
目次
1 序論
―インド太平洋におけるルールに基づく海洋秩序の推進―
ジェフリー・オアダニエル (Jeffrey Ordaniel)
2 北東アジアにおける海上危機防止の強化 ―サブナショナル主体・非国家主体に焦点を当てて―
シューシェン・ロー(骆舒娴)
3 日本の海上安全保障をめぐる法と尖閣情勢
石井由梨佳
4 東シナ海の海洋安全保障 ―日本の視点―
兼原敦子
5 国際法における武力行使と中国海警法
グエン・ティ・ラン・フォン (Nguyen Thi Lan Huong)
6 問われる日米豪印戦略対話(クアッド)の覚悟 ―矛盾する二つのゴール―
畠山京子
7 インド太平洋の海上安全保障と日米同盟の近代化
ヴァージニア・ワトソン (Virginia Watson)
8 海洋ガバナンスの能力開発 ―インド太平洋の法の支配確立における日米同盟の課題―
ジョン・ブラッドフォード (John Bradford)